一位とは
一位は、聖徳太子が推古天皇の時代に制定した朝廷の官人の序列で、最高位に当たる「正一位」を指します。
伝説によると、仁徳天皇の時代、
正一位の位階にある貴人が持つ笏(しゃく)を特別な木で作らせました。
その木が「イチイ」であり、それ以降この木を「一位」と呼ぶようになったと言われています。
また、岐阜県中北部の飛騨山地に位置し、日本海と太平洋の分水嶺を形成する「位山(くらいやま)」には、このイチイの木が多く生育していたため、笏の材料として用いられたという伝承も残っています。
このことから「位山」という名がついたとされています。
庭木や床柱として高い評価を得る木
イチイの木材は、紅褐色で緻密な質感と美しい光沢を持ち、弾性が強く芳香があります。そのため用途は多岐にわたり、彫刻、器具、仏像、鉛筆材などに使用されています。特に碁盤の材料としても優れており、木理の美しさを生かして床柱、笏(しゃく)、茶筒、菓子器などの製作にも適しています。
かつてアイヌの人々はイチイを用いて太い弓を製作しました。この弓は雨や雪にさらされても形が崩れないと言われ、高い耐久性を誇りました。岐阜県飛騨高山では匠の技による一刀彫やイチイ細工が伝統的に行われ、北海道では庭木としても多く利用されています。特に刈り込み仕立てや生け垣として人気が高い樹種です。
【素材】
持ち手:一位(イチイ)(北海道産 天然木仕様)
くし部分:つげ(鹿児島産)
【大きさ】
Sサイズ くし部分:約7.8cm 全体:約16cm 高さ:約3cm
Lサイズ くし部分:約9.2cm 全体:約20.2cm 高さ:約3.5cm